かごしま近代文学館 特別企画展「海音寺潮五郎の切捨御免!日本の歴史を点検する」
かごしま近代文学館 特別企画展「海音寺潮五郎の切捨御免!日本の歴史を点検する」
かごしま近代文学館 特別企画展
「海音寺潮五郎の切捨御免!日本の歴史を点検する」
鹿児島出身の歴史小説家・海音寺潮五郎は、平成29年12月1日で没後40年を迎えます。
海音寺潮五郎(本名・末冨東作)は明治34年、鹿児島県伊佐郡大口村(現・伊佐市)に生まれ、加治木中学校、神宮皇学館を経て国学院大学に進学。卒業後は中学の国漢教師となりますが、昭和4年「うたかた草紙」が「サンデー毎日」の懸賞小説に当選し、作家への道を踏み出します。昭和9年からは作家活動に専念し、昭和11年には『天正女合戦』『武道伝来記』の2作により、第3回直木賞を受賞しました。その後、『平将門』『武将列伝』『天と地と』『海と風と虹と』『西郷隆盛』など数多くの作品を発表し、わが国の歴史文学の発展、興隆に力を尽しました。
海音寺潮五郎は重厚な歴史小説を数多く執筆していますが、中でも歴史に関する豊富な知識と独自の史観に基づいて書かれた史伝文学は、他の追随を許しません。特に生粋の薩摩人気質を持つ海音寺は、西郷隆盛の史伝を書くことに使命感を持ち、その完成に心血を注ぎました。昭和52年、海音寺の逝去により、ライフワークとして取り組んだ『西郷隆盛』は未完のままに終わりましたが、維新史全体の中で西郷隆盛を捉えようとしたその西郷伝は、最も西郷隆盛の真意を理解したものと言えます。
本展では海音寺潮五郎が残した多くの歴史小説や史伝をとおして、古代から明治維新までの日本の歴史を辿ります。膨大な史料を渉猟することで得た確かな知識と、独自の史観に貫かれた海音寺文学には、現代を生きる私たちが学ぶべき多くの教訓やヒントが隠されています。本展はそんな海音寺文学をとおして、日本人がこれまでに歩んできた道のりを振り返ると共に、海音寺が作品に込めたメッセージを読み解きます。
会期 | 2017年11月2日(木)~12月3日(日) |
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休館日 | 火曜日 |
開館時間 | 午前9時30分~午後6時(最終入館は午後5時30分まで) |
観覧料 |
一般600円(500円)、小・中学生300円(200円)、幼児無料 *近代文学館常設展示も観覧可 *( )内は、20名以上の団体料金 |
会場 | かごしま近代文学館 文学ホール |
主催 | 鹿児島市、公益財団法人かごしま文化振興財団 |
監修 | 乕尾 辰哉氏(鹿児島大学法文学部教授) |
『西郷隆盛』全9巻(朝日新聞社) 「天と地と」原稿